さらば九州
6月1日(木)
 このキャンプ場には一泊しかしないので、設営したのはテントだけです。ここんとこ雨の心配が無いので、テント前に椅子とチビテーブルだけ出した青空天井スタイルです。暑くも寒くも無いこの季節には、こういうシンプルスタイルも気持ちよいです。

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 テントを張ったフリーサイトの正面には、雲仙普賢岳が見えてました。朝ご飯を食べた後、撤収は後にして雲仙の地獄を見に行くことにしました。地面から熱湯に近い温泉が沸々と湧き出しているのです。荒涼とした岩地に硫黄が付着して、あっちこっちから湯気が立ち上り、ボコボコグツグツと激しく気泡が弾けてます。もちろん柵がしてあるんですが、その脇の看板が笑えました。『立ち入り禁止。地獄内は危険です。』・・・そりゃまぁ、地獄なんだから危険でしょうねぇ。(笑)あたり一面にはゆで卵の匂いが立ち込めてます。一瞬怯むほどの蒸気と匂いなんですが、それに対しては危険っていうコメントが無いんで、多分大丈夫なんでしょう。
 地獄にはそれぞれ名前がついてます。清七地獄とかお糸地獄とか。雀地獄、大叫喚地獄ってのもありました。大叫喚地獄は煮えたぎった池で、さすがにヴィッキーでもその池には突進しませんでした。

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 雲仙温泉を後にして有料道路に入り、普賢岳を間近に望める仁田峠に向かいました。雲仙普賢岳の大火砕流は、15年前の6月3日でした。当時ニュースで見た、火砕流が物凄い勢いで迫ってくる映像がまだ脳裏に残っています。展望台から普賢岳の元の山頂(左側、上が平らのギザギザの方)と、新しく盛り上がった溶岩ドーム、平成新山(右の高い方)の両方が望めます。溶岩ドームは元々の普賢岳より127mも高く盛り上がっています。持っていた双眼鏡で眺めると、火砕流の流れた後や白骨化してしまった木々、うっすらと噴煙の上がる山頂などが見えました。火砕流が流れた砂礫の斜面は、薄く緑色に色づいていました。植物が生えつつあるんですね。自然の猛威と生命力に触れたような気がしました。

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 いったんキャンプ場に戻ってコーヒーを淹れ、飲みながら撤収を始めました。暑くなってきたのでテーブルは棕櫚の木陰に移動。南国ムードです。ヴィッキーは相変わらず、「ボール投げて~」と眼力で訴えていました。たまにホイッと投げてあげると、そりゃまぁ嬉しそうに駆けていきます。そういえばこのキャンプ場は、パターゴルフとかカラオケボックスとかラジコンサーキットとかの遊戯施設の一角にあるんですが、どのエリアも閑散としていました。シーズンオフだからなのか、それともいつもこんな開店休業状態なのか・・・。受付のおばちゃんは何故だか作務衣を着ていて、雰囲気オキナワの人みたいでした。

 普賢岳の火砕流は水無川を駆け下りて、河口の島原の街を襲いました。この街から山を見上げてみたいと思いました。キャンプ場を引き払って島原の街に下り、水無川の河口付近から見上げると、正面に溶岩ドームがそびえていました。河口近くには道の駅があって、その奥に火砕流被害で土砂に埋まってしまった民家が当時のまま保存されています。土砂は平均で2.8mの厚さだそうで、二階部分が一階と同じ高さになってしまっています。あらためて被害の凄まじさを感じました。

 お昼過ぎまで島原にいて、それから一路山口県の岩国を目指すことに。島原半島の北側を半周まわり、諫早から高速道路に乗って佐賀県・福岡県を経由して、夕方関門海峡を通過しました。10日間九州にいたのに、回れたのは大分・宮崎・熊本と長崎の一部。全県遊ぶには、一ヶ月くらいのお休みが必要みたいです。(笑)

 中国自動車道はガラガラで、前にも後にも車の影が無くちょっと不安になったりして・・・。島根県の県境に近い六日町ICで下り、ここから錦川を目指します。すでに午後7時。日没が遅くなったとは言え、かなり夕闇が濃くなってきました。とりあえず野営できる河原を探さなくっちゃ。我が家のリバーカヤックのバイブル、『リバーツーリングガイドマップ55』によれば、錦川清流鉄道の根笠駅近くの河原がキャンプ適地となっているんですが、その河原に車で乗り入れられる道がありません。辺りがすっかり暗くなった頃、ようやく下りられそうな坂道を見つけたんですが、河原のゴロタ石が大きく、我が家のVICKI号ではスタックするかもしれず・・・。去年の四万十川の河原でスタックし、脱出不能になったことが頭を掠めて躊躇してしまうんです。
 結局、河原の野営は諦めて、15kmほど戻った道の駅で車中泊することにしました。向かう途中、オートキャンプ場の看板が一瞬ヘッドライトに浮かび上がりました。早速キャンプ場ガイドで探してみると、錦川の支流を10kmほど入っていったところに一軒ありました。でも時間は既に9時近く。こんな平日の夜に誰もいないだろうなぁ、と半ば諦めて電話をかけてみると、管理人のおじさんの携帯に繋がりました。おじさんは既に自宅に帰っていたようなんですが、「すぐに行くから、アンタの方が早かったら入り口で待っとって。」と言われ、15分後にキャンプ場にたどり着くと、おじさんは笑いながら「ワタシの方がちーと早かったね~。」と言ってくれました。そして、「今夜はコテージに泊まりなさいよ。オートキャンプと同じ料金でいいから。こんな暗い中テント張るのは大変だよ。」と。「犬がいるんですが・・・」と言うと、「かまわん、かまわん。自分たちでキッチリやってくれればいいから。」とコテージに案内してくれました。ちっちゃなログハウス風の三角屋根のコテージは、5畳くらいの広さで3畳くらいのウッドデッキと冷蔵庫まで付いてました。サザエさんのエンディングで出てくるバンガロー(?)にそっくりです~。出入り口のガラス戸のたてつけは少々甘いものの、板張りの室内はキレイで申し分ありません。おじさんの厚意に甘えて、ここに泊まらせてもらうことにしました。晩ご飯がまだだったので、落ち着いて食事の支度が出来ることが何より嬉しかったです。部屋の片隅にドッグベッドを敷いてあげると、ヴィッキーも久しぶりの『四角いおうち』に安心したのか、すぐに足を投げ出して寝てしまいました。車中泊の覚悟から一転、今までで一番豪華なねぐらになりました。須川家族村オートキャンプ場のおじさん、どうもありがとう~。
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by p-kom | 2006-06-01 15:22 | 旅行
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