2005年 06月 12日 ( 1 )
自然のチカラ
6月12日(日)
 朝、カーテンを開けてみてビックリ!昨夜降り始めた雪が積もっています。北緯46度、標高1650m、6月の雪です。今日はParadise周辺のトレイルを歩いてみるつもりだったのに・・・。とりあえずレストランで朝食をとりながら、本日の作戦会議です。
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 来る前から寒いだろうとは思っていましたが、まさか雪が降るとまでは想像していませんでした。雨よりはマシですが。でも逆に雨だとトレッキングはキツいですが、雪ならスノーハイクのような楽しみ方ができるかも。ということで、ジーンズの上にフリースパンツを重ね着し、見てくれよりも防寒重視でチェックアウトしました。
c0030967_2384441.jpg 雪は相変わらず降り続いています。当然のことながらマウントレーニアの山頂は見えません。トレイルもミルク色の霧の底に沈んでいました。雪の積もった針葉樹がぼんやりと煙ってとても幻想的。歩いてみると、思ったほど寒くはありませんでした。のんびりと3kmほどのトレイルを上っていきます。途中、完全装備のパーティを何組も見送りました。標高3000mより上に、Camp Muirというキャンプ場があるのです。きっとそこで1泊し、翌日山頂を目指すのでしょう。もしチャンスがあれば、1回挑戦してみたいものです。

c0030967_2393366.jpg 1時間半ほど歩いて駐車場に戻ってくると雪は止み、霧も少し薄くなっているようです。天気は徐々に回復するのかも。それなら別のトレイルを歩いてみても良いかもしれません。Paradise Innのすぐ近くにあるビジターセンターに移動してトレイルマップを貰い、氷河が間近に見られるというNisqually(ニスカリー)トレイルを歩くことにしました。木々に積もっていた雪は昼頃には殆ど溶け、トレイルの外の原っぱにちらほら残る程度になっています。15分ほど歩くと、氷河が迫る谷を見下ろす展望台に出ました。ゆっくりと悠久の時をかけて、氷河は谷を深く削り取っていきます。まるで巨人がV字型の彫刻刀で削ったように、見事に鋭い深い谷が出来ていました。右手には山頂から迫り来る氷河、そして氷河の溶けた水を集めて谷底を流れる川。とても迫力のある風景です。
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 短いお手軽なトレイルでしたが、氷河を見ることができて満足して車に戻りました。マウントレーニアに向かい合うように連なる小さい嶺々の雲はすっかり晴れ、素晴らしい展望が開けていました。でも、残念ながらマウントレーニアの雲が晴れることはありませんでした。時間は4時前、このままシアトルに戻るには早すぎるし、でも同じようなトレイルを歩くのもちょっと・・・、で、さらに足を伸ばしセントヘレンズ山に行ってみることにしました~♪ここから車で2時間半、順調にたどり着いても6時過ぎですが、なんたって日が長いんですから。

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 セントヘレンズ山の大噴火で大きな被害が出たのは1980年5月。今年は25周年記念なんだそうです。本当は北西から入ってジョンストン展望台へ行くのが人気のコースなのですが、時間の関係でアクセスしやすい北東コースを選びました。山の麓を巡る道の両側には深い森が続いています。麓をグルッと周り、いよいよ山に近づく道へ。クネクネと段々に標高をあげていきます。山への道へ入って10分ほどで最初の展望台。遠くセントヘレンズ火山が見えました。山頂は雲を被っていますが、想像以上のボリュームです。もっと近くへ!ということで先を急ぎます。
c0030967_23112455.jpg いくつものカーブを抜けると、突如風景が一遍しました。今まで道の両側に深く続いていた森がプッツリと途絶え、いきなり見晴らしの良い展望が開けました。遥か遠くのセントヘレンズ火山までうねうねと続いている山に、木が生えていないのです。正確に言えば、太く大きい木は枯れ果てて倒れ、中には骨のようになったまま屹立しているものもあります。谷にはまだ生えたばかりの小さな針葉樹の林。一瞬、何でそんな景色なのか不思議に思ったのですが、きっと25年前の大噴火の爆風で、あっという間になぎ倒されてしまったんでしょう。その証拠に、太い丸太たちは同じ方向に倒れているのです。火山まで直線距離でも数キロあるはずですが、その自然の威力にしばし呆然となってしまいました。
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 一瞬のうちに死んでしまった木達と、25年かけて少しずつ再生しようとしている若い木達。そんな何とも言えない風景の中を、クネクネと縫って進んでいく道。思わず鳥肌が立つくらい感動しました。てっちんとふたり、「来て良かったね。」と言いあいました。道のドン突きはWindy ridge、風の嶺という叙情的な名前の展望台でした。火山手前の小さなはげ山に登れる階段が付いていて、頂上まで上ると火山が目前に眺められます。この時には火山頂上の雲がタイミングよく晴れて、大きな火口と急峻な外輪山を見ることができました。大噴火の時に山の北側が大きく吹き飛んだのか、外輪山は馬蹄型をしています。その開いた部分から大量の火砕流が流れ下ったんでしょう、北側は何も無い荒れ果てた斜面が続いています。その広大な裾野の終点あたりに湖があるのですが、火砕流によって押し流された木々が、丸太となって25年経った今も湖面の所々を覆い尽くすように浮いていました。
c0030967_23122135.jpg いつまでもそこにいて景色を眺めていたい気持ちに囚われたまま展望台を後にしました。まだ明るいとは言え風は冷たく、体もだいぶ冷えてしまったので、Jetboilでお湯を沸かしココアを入れて飲みました。昨日の夜、ロッジでちゃんと洗ったので、今日は無事使えました~。ココアを飲みながらふと見ると、オレゴン州の麗峰マウントフッドが西日を浴びて黄金色に輝いていました。時間はすでに午後8時。これからシアトルに戻るのに3時間、ご飯も食べてないし・・・。また帰りは夜中になりそうです。明日は日本に帰る日。支度、大丈夫かな。
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by p-kom | 2005-06-12 23:07 | 旅行